世間はお盆休みです。

なるべくお盆前に終わりたい作業ありましてなんとか終わりました。

以前にブログで紹介しました32前期に後期ミッションが載ってるクラッチシステムがなんかおかしかった車両です。

今回本格的に修理とクラッチ交換の作業です。

早速ミッション降ろして点検していくと…

やはりOS技研さんの旧タイプのツインプレートでした。

で、よく見ると…レリーズベアリングが接触するクラッチカバーのダイヤフラムの当たり位置がおかしい。

本来は赤丸線のとこにベアリングが当たります。でもその外側に当たってます。これはレリーズベアリングの選択ミスです。

どうりでペタルが重い訳です。ただでさえOSさんの旧クラッチは重いのにコンナトコロにベアリング当たると余計に重くなります。

例えば重たい物を動かす時に一番端っこを持ったほうが余計な力がいらないのと同じでクラッチのダイヤフラムも圧着力の関係でバネ構造になってます。通常は赤丸の部分を押すようになってます。

ベアリング。

画像上が元々組んであったモノ、下が今回使うベアリング。

ベアリングの当たる出っ張りの位置が違います。

OS技研さんのクラッチを組む時はホームページに取説というか注意事項あるのでよく理解してないといけません。

オマケに…

レリーズフォークの支点となるピボットも手で回る状態で緩んでました。数ミリ浮いてます。これだとペタル操作のクラッチミートポイントが変わってしまいます。

このピボットという部品は子供が遊ぶシーソーと考えると真ん中の柱部分になりこれが高くなるとシーソーの両端は大きく動きますよね、そんな原理で前回点検した時にレリーズフォークがエンジン側に片寄ってのもわかります。

まだ他にもあったのですが今回の一番の問題はミッションのレリーズシリンダーの取付位置です。これを修理していきます。

シリンダー外すとこの位置で穴あけして取付けてありました。これを塞いで新たに穴あけします。

ミッション内側。なんかパテ塗ってある 笑

ドリルでモミモミして

アルゴンで溶接

モリモリ溶接

表は削って整えます。

本来の後期ミッションはこんな感じです。

ここからキチンと位置出しせて穴あけします。

穴あけして強度出すためにヘリサートコイルも入れておきます。M10×1.5ピッチ

これでミッション側はなんとかなりそうです。あとはついでのクランクシール交換とパイロットブッシュ交換。

これでようやくクラッチ組めます。

今回もいつものオグラさんのクラッチです。同じくツインプレートです。

エンジン側はこれで完了。

ミッション側も残り部品組み付けてドッキングと思いましたがニスモ強化ピボットを取付しようとしたら…あれ?ネジサイズが違う。

そうです、これ後期ミッションなのでフロントカバーが違うんです。これ知らなかった。前期のプッシュ式ばかり組んでいたので。

ボルト左がニスモピボット。

前期のフロントカバーは在庫してたので新品交換です。ちなみにレリーズが入る天狗の鼻の全長も少し違います。

フロントカバー、レリーズベアリング、ピボットやフォーク組み付けてミッション側も完了。

ドッキングしてレリーズシリンダー組み付け。

本来の位置でバッチリです。フォークの位置も真ん中にきました。

試運転もやって問題無しです。すごく乗りやすくなったと思います。

さて、今回のミッションやクラッチ、とてもショップとかで組んだようには思えません…これがショップ仕上げとなると怖いものです。でもこの組み方でも動くんですよね…不思議です。

社外クラッチはかなりの数こなしてるので経験が生きてきます。でも後期ミッションのフロントカバーの違いが発見できてこらもよい経験となりました。

クラッチでお困りの際はご相談ください。

ご依頼ありがとうございました。

この後もまた別の32やってます…