今回は福岡からのお客様。RX8のブレーキオーバーホールとパッドとローター交換作業です。

部品揃いましたので早速リフト上げて作業開始です。


以前に来店された時にローター当たりが悪い部分が見られましたのでパッド、ローターを新品交換するのに合わせてキャリパーオーバーホールをやっていきます。
だいぶくたびれてます。おまけにこの車両は下回りに錆びが出ていてキャリパー自体も怪しい感じでした。

フロント片側のスライドピンが固着してました。ゴムブーツがキチンとハマってません。
クルマを動かす時にブレーキペダルの踏み込みがフワッとした感じだったので怪しいとは思ってました。スライドピンが固着するとどうなるかは後で説明します。

汚れや錆びヒドイですね…
こんな時はまず

ブラストしていきます。いつものウェットブラストです。塗装もするのでメディアは粗め。

どんどんやっていきます。


気持ち良く汚れや錆びが取れていきます。

あとは徹底的に洗浄、高圧洗浄機も使いながらやります。


今回は耐熱シルバーで筆塗りです。片押しキャリパーなら筆でもキレイに見えます。しっかり乾燥させて

オーバーホールシールキットを使い作業します。



ピストンは問題なかったので磨いて再利用します。

組み込み終わり、次はパッドとローター取り付けです。

使用するのはいつもプロジェクトミューさんのスリットローター&新しく発売されたHC CS18というモデルを使います。

取り付け前にいつものハブ清掃。
これも汚れや錆びがありなるべく面で取り付けたいので。


4個ともキレイにします。


ローターとブラケット装着。パッド台座金具も磨いてます。


取り付け完了でフルードのエア抜きやって完成。


よいですね、試運転やってみて…ペタルタッチが全然違います。かなり効きそうです。おまけに見た目もカッコ良くなりました。
ここで、スライドピンのお話し。
スライドピンという部品は片押しキャリパーには必ずついてます。1つのキャリパーに対して上下に1本づつあって、ブレーキを踏むとキャリパーピストンが片側から押し出され(構造でいうと裏側のパッドがまず押されます)その反動で表側のパッドも押さえつける仕組みになっています。
そのスライドするピンがあって1個のピストンの反動を利用してキャリパー自体が動いて表裏のパッドを均等にローターに押さえつけます。これでブレーキが効くようになります。
今回のようにスライドピンが固着してしまってる場合どうなるかというと、裏側からピストンで押されますが表側のパッドを押さえきれないとなり裏側パッドのみでブレーキが効いてしまいます。制動力は半分になりますね。

外した裏側パッドをよく見ると…左より右が斜めに減っています。

外したパッドを合わせてもわかりますが斜めに減っていてさらに画像右パッドが残量が少ないです。
これは上側スライドピンの固着によりこうやって斜めに減っていきます。
おまけにペタルタッチもエア噛みしたような感じでフカッとしたようになります。


完全な固着ではなかったのでなんとか抜けてくれました。錆び取り研磨やって使えるようななりました。
今回の車両は下回りに錆びが見られたので雪道をよく走った車両なのかな?と思ったりもしました。
雪国育ちの車両はこういったブレーキトラブルも多いです。中古車販売の時も錆びが多い車両はブレーキ関係も注意したほうがいいですね。

これでオートポリスの1コーナーも安心して踏めますね。
ご依頼ありがとうございました。