忙しいながら順番に作業を進めております。

依頼があったのはひと月以上前でようやく預かり取りかかります。

サーキット走行もされてるいつもの35GT-Rの作業で今回はブレーキのオーバーホールです。

通常アライメント作業用のリフトですがアライメントの合間を縫っての作業です。

早速バラしていきます。

このタイプのキャリパー外すのは意外と簡単でラジアルマウントなので裏側からボルト外すのではなく表から外す作業になります。

ブレーキオイルラインを切り離ししますのでオイルが垂れないように画像のSSTで蓋をします。

今回のキャリパーはフレアタイブですのでこんな感じのモノです。バンジョータイブもありますのでそれにあったSSTを使用します。

キャリパー左右外して点検。

ダストブーツ思いっきり破れてます。オーバーホール時期でしたね。

35GT-Rは車重もあり速度もそれなりなので特にフロントブレーキに負担がかかります。

温度もかなり上がりますので熱に強いゴムシールもサーキットとなるとこうなってしまいます。

ダスト→ごみという解釈でこの部品はダストシールといいます。ブレーキに重要なキャリパーピストンにゴミや異物、水が入らないよう守る意味で装置されてます。これはストリートマシンには必要な部品でありますがレーシングカーにはないモノもあります。

とりあえずパッドなどバラしていきます。

破れたブーツ
シリンダー内シール

純正のシールキットを使います。今回のキャリパーオーバーホールはフロントのみです。

ピストンやその他部品をキレイにしていきます。

フロントは6potで片側6個のピストンと抜かないといけないです。抜けないからといってブライヤーやバイスを使ってはダメですよ。特に35はピストンクーリング付きなの自作でSST使って押し出します。

クーリングチャンネル部分とゴミや異物があったりしますので確認しながらキレイにします。ダストブーツ破れてはいましたがピストンは問題なく使えます。

組み込みして…

大事な部分なのでキチンとやって完了です。

今回のパッドはディくセルさんのZダイプです。

あとは車両に組み付けしてブレーキオイルのエア抜きです。

しっかり取り付けして…

念のためリヤからエア抜きしていきます。

ブレーキ関係の作業はこれで完了で後はタイヤホイール取り付けして終わるのですがホイール外す時に違和感あってナットがスムーズに回ってない部分があり、その修正をします。

リヤの左右ハブボルトです。一番上ボルトにダイスをセットしてますがこれも市販のやつをカットして回しやすくしてる工具です。

日産はM12×1.25のピッチなのでそれに合ったダイスセットしてグリグリ回していきます。

左右7本ほど渋かったです…リヤのハブボルトはロングの社外品に交換してありましてこれが悪いのかナット(これも社外)との相性なのか…修正せずにそのまま締めてたら間違いなくガジってました。

ここでひとつ、ご自身でホイールを交換されたりするユーザーさんもいるかと思います。

外す時はエアツールでも手動でもOKです。注意するのは締める時で取り付け前にまずハブボルトにゴミや異物、(スチールボルトなので金属片など)を確認し手でナットを数回回るのを確認して締め込んでください。

手で回した時に少しでも抵抗あったり違和感あれば必ず確認して必要であればダイスをかけてください。

ダイス

これ適当にやると後が大変です…若干のカジリぐらいだと手動でもエアツールでも回って締め込みは可能な時あるんですが次に外す時に完全にカミ込んでしまってナットが回らずハブボルトを折らないと摘出できない…といった事になります。

過去にユーザーさんが自分でホイール交換されてこういったケースが何回かありました。

あと、締め込み過ぎ(オーバートルク)もダメですハブボルトも延びますしカミ込みの原因にもなります。

このあたりはクルマにとって大事な部分なので面倒でも慎重にやりましょう。

全ての作業も終わりお返しとなります。

作業依頼ありがとうございました。