世間は3連休でしたが昨日の月曜日は半分休みとってワタシの32のクラッチ交換してました。天気もずっと悪かったですしね。
なぜクラッチ交換かといいますと、クラッチ操作が渋くなってきてクラッチミートが難しくなってきてたんですよ…ツインプレートというのもありかなり扱いづらくなってました。
クラッチキットは去年購入してましたがなかなか作業が出来ずにいました。あんまり乗らないのもありましたが 汗
ここで、みんなも出来る?クラッチ交換を紹介します!必要なモノはリフト、ミッションジャッキ、ながーいラチェットのエクステンション、芯だしSST、ぐらいです。
まずはバッテリーのマイナス端子外して
シフトレバーを外します
下側に回り、ちょっと大きめのミッション外していきます。四駆なのでトランスファーとフロントシャフトがあるのがFR車との違いです。
ミッションとデフを繋ぐプロペラシャフトを外します。外す時は合いマークをつけておきましょう!回転バランスがあるので。
この時アテーサホース、スピードメーターケーブルも外します。車種によってマフラーも外さないといけません。
フロントシャフトを外し、レリーズシリンダーを外します。ミッションフロント側はあとセルモーター外しぐらいで外れたらエンジンとミッションを繋いでるボルトを外します、32だとセルモーターぬかせば8本です。
フロント下側ボルト外してミッションジャッキをセットしてミッションメンバーを車体から切り離します。ジャッキを下げていくとある程度のとこで止まります、その時にエンジンとミッションを繋いでる上側のボルト2本を長いエクステンション使って外します。
このエクステンションがないと上側ボルト外すのはかなり厳しいです。1Mほどあります。シルビア系も同じです。
ボルト外れればエンジンから切り離します。シルビア(特に15)もそうですが32もセルモーターの出っ張りがフロアトンネルに当たりますのでミッションを右回転させながら抜いていきます。
この時、エンジンの傾きが重要となりますのでワタシはエンジンマウントのボルトを緩めておきなるべく傾くようにしてます。
ミッション降りました。金色のクラッチシステムも見えてますね。慣れていれば降ろすまでは1.5時間ほどです。
ただ単にミッションの載せ降ろしなら3時間ほどですが降ろしてからの作業がちょっとかかります。清掃や内部組み付けです。
ミッションのハウジング内部です、汚れてますね…グリスやディスクのカスなどです。これをキレイにしていきます。写真に見える真ん中の部分がレリーズベアリングでそれをテコの原理で押し出すレリーズフォーク(下側に向かってる棒?)です。
今回クラッチシステムと同時にこの部品も交換します。名前なんだったけな?いつも天狗の鼻と呼んでますが…レリーズベアリング(スリーブ)がこの丸い筒のとこで動く部分です。
外してガスケット除去します。手前に伸びてきてるのはインプットシャフトです。これがエンジンの動力をミッション側に伝える重要な部分になりこのスプライン部分にクラッチディスクに刺さります。考えてみるとよくこの細い部品だけで動力伝わるなと思います。
画像でわかりますかね…?筒の部分に段付きができてます。スリーブベアリングがここをいったりきたりするとこでクラッチペダルを踏むたびに前後します。
ここはグリスを塗ってるんですが長く使っているとグリスが硬くなったりグリス切れだったりでこうなります。
クラッチフィーリングが悪かったのはここで引っ掛かりができてスムーズに前後してなかったんです。
ミッション降ろす前にここがダメだろうと予測してました。まだ部品が出るし数千円なので古い車両は交換していきます。
同時に定番のニスモの強化ピボットも組み込みます。
清掃して天狗の鼻取り付けて新品のスリーブ、ベアリング用意してレリーズフォークと合体させて組み付けしてミッション側は終了です。
次はエンジン側で古いクラッチシステムを外していきます。このクラッチは10年ほど前に組んだORCの709Dというモデルです。
本当は天狗の鼻交換してクラッチ内部のディスクとカバーのオーバーホールキットで安くいけるかなと思ってましたが…オグラクラッチに問い合わせてみたら…もうこのモデルのOHキットは廃盤でありませんと。
仕方なく現行のクラッチキットを購入となりました。
本体は1万キロも乗ってなくディスクもクラッチカバーもまだ使えそうでしたがせっかくミッション降ろすので保険のために新品にしました。
距離はそんなに使ってませんでしたが過酷なサーキット使用だったので痛みはありますね。長く間お疲れさまでした。
新旧クラッチです。パッと見同じみたいですが金色のカバーのダイヤフラム取り付け部分が変わってますね、軽量化の為かな?
新品は気持ち良いですね、これを組み付けていきます。ここから大事なのは組み付けのディスクの向きと順番です!
新品の場合は組み付け順にしてあるので順番にバラせば間違えることはないと思いますが中古品なんかは注意が必要です。クラッチディスクには向きがありますので!
クラッチの前に…
クランクシャフトエンドに付いているパイロットブッシュを交換します。この部分交換しない人もいるみたいですがシフトフィーリングに影響しますので交換したほうが良いですね。専用のプーラーで抜き取り…
右が新品、やはり痩せてましたね。これを打ち込んで、クランクシール交換してバックプレートを取り付けていきます。
ここから…
専用のフライホイール取り付け、規定トルクで締め付け、マークも打っておきます。
一枚目のディスク取り付け。この真ん中に刺さってる棒はディスクのセンター出し専用ツールです。
ミッションのインプットシャフトの同じ形状をした専用工具で日産車は全部これでいけます。
クラッチディスクが普通の一枚のモノだとこれがなくても目視でセンターを合わせれば組み付けもいけたりしますが、ツインプレート(クラッチディスクが2枚)の場合はこれがないとほぼ組み付け不可能です…理由は2枚のスプラインを合わせないといけないので。
次にセンタープレートを入れます。クラッチを踏んだ時にシャラシャラ音が出るクルマはこの金属のセンタープレートがフリーになってフライホイールから伸びてる9本の支柱に当たって音が出ています。
2枚目のディスク入れて
次にプレッシャープレート
最後にカバーを付けてカバーボルトを締め付けていきます。
クラッチメーカーによって違いますのでしっかりトルク管理して取り付け
カバーボルトも一気に締めるのではなく順番に少しづつ締め付けます。
これでエンジン側も完了で後は元通りに組み付けしていくだけです。
最後にバッテリーつないでエンジン始動、ペダル踏んでクラッチ動作問題なければ完成です。
今回、新旧のオグラクラッチ交換だったんですがペダル踏んだ時のシャラシャラ音が大人しくなってました…なんか寂しいな…涙
クラッチはエンジンパワーに合わせてシステムを選びます。32なんかはブーストアップまではノーマルシングルでもよさそうですが四駆の為にクラッチに負担かかりますので少し容量大きなのが良さそうですね。
500馬力越えるとツインやトリプルが必要になってきますね。ひと昔前の強化クラッチは左足がつりそうなぐらいシビアでしたが最新クラッチは扱い易いですね!
ここでクラッチのミニ講座!
クラッチの構造を理解するとペダル操作や運転が丁寧になるかもしれません…
クラッチといっても純正からマルチプレートクラッチまでありますが…(説明はまた後日)
クラッチというのはエンジンからの動力をミッションに伝えたり切ったりする重要な部分で主にギヤチェンジ(変速時)に3ペダルの左を踏みますが、何故ペダルを踏むとクラッチが切れるのか?となりますが
画像のような感じになり、ペダルを戻すと…
つながります。よく言う半クラというのはこのちょうど半分の位置で繋がってるような繋がってない状態です。その半クラの時はクラッチディスクがフライホイール面やその他の圧着面で擦れている状態であまり半クラを多様するとディスクがあっという間に無くなります。摩擦してるので熱もかなりもちます。
よく軽トラのおじいちゃんやおばあちゃんがウォーンって半クラをやってますがあれでは1年もクラッチが持ちません…ホントによくクラッチ交換に来られます!
けっこうクラッチはデリケートに出来ていてペダル操作などで寿命が違います。乱暴に扱うとディスクの減りが早かったりディスク自体が反ったりします。発進時は最低限の半クラで走行中のシフトチェンジはスムーズに!これだけで全然持ちが違いますよ!
クラッチシステムを話し出すと長くなるのでまた次回に説明します。
簡単ではありますが誰にでも出来る?クラッチ交換紹介でした!
クラッチ交換作業はモータークラフト田中へ!