ロータリーの数少ないお客様で車検整備をやっておりまして、お預かり時の問診で「冷却水が減っているようだ」と「エンジンのかかりが悪い」との事で少し診ていきます。
バッテリーが少し弱っているかな?という感じで特別かかりが悪い訳ではなさそう…
年式は当然古く走行距離も10万キロ超えています。
通常の整備終わって、お客様とも相談し圧縮の測定をやってみましょうと。当社にはロータリー用のコンプレッションゲージはないのでいつもお世話になってる佐世保のパワーボックスさんにお借りしてきました。
うちも欲しいなと思いますがそこまでロータリーのお客様居ないのでいつもお借りしてます 汗
まずフロント側から、トレーディングのプラグ外して測定します。ここで、絶対にエンジンが掛からないようにフェールポンプのヒューズを抜いてエンジンが掛からないか確認してからセットします。エンジン掛かかると測定器を壊してしまうので。
測定は2回行います。数秒間クランキングするのでバッテリー電圧も大事になってきますのでケーブルつないでバッテリー低下しないようにします。
フロント側、3室バランスも良さそうです。
リヤも問題なさそです、前後の差も大丈夫そうで圧縮自体は良さそうです。エンジンがかかりにくい問題はやはりエンジンの水食いかな…
エンジン始動直後にマフラーから白煙、オイルの白煙ではなさそうで一緒に燃えてる感じです。
レシプロエンジンとロータリーエンジンは構造が違いますが燃焼室に水が混入するという意味ではどちらも同じです。(通常燃焼室にはガソリンと空気の混合気だけです)
水食いのひとつの判断材料でラジエーターのセパレートタンクのキャップを点検。
ここのラジエーターキャップ、ふたとなるゴム部分が見えますがここが広がったりしてると水食いの可能性があります。
広がってますね、元は茶色のケースとゴム幅がほぼ同じですがゴムのほうが広がってますね。
これだけでは水食い確定とはならないですが疑いはあります。通常は水しか入ってないタンクにオイルが混入した場合ゴムはオイルでふやけてしまいます。このゴムを見るとそうなのかなと考えてしまいます。
今後の経過をみながらいきたいですがたぶんオーバーホールが近いと思います。圧縮と水食いは別問題なので…
以前、別のFDのエンジンをオーバーホールしたんですがそれも「水食い」が原因でした。
現在ロータリーのオーバーホールをすると補記類も含めると凄い金額になります。
これからFDを購入する!というお客様は色々と注意が必要です。エンジンオーバーホール済みという触れ込みで販売してあるのもありますが、誰がどんな部品を使って作ったかでも大きく違います。
ロータリーエンジンはオーバーホールできる所が少なくちゃんとした業者を選ぶ事が大事になります。当社ではオーバーホールしていませんがちゃんとした業者に依頼しています。
ワタクシも以前FC3Sを2台乗り継ぎました!(色んなクルマ乗ってきました…)何かありましたらご相談ください。
ロータリーエンジンのお話しでした。