この前ブログで上げた別の32も預かっていてタイミングベルトなどの交換でした。

タイベル関係はスタッフ横田がやってまして難問がいくつかあり、まずクランクプーリー外れない…なんとか外れてくれてクリア。

ついでにクランクシール交換しようとタイミングスプロケ外そうと…また外れない…部品交換前提で最悪割るかと言ってた所なんとか摘出。その後新品に交換です。

クルマも数十年経ってますしタイミングベルトも以前にも誰がやったかわからないけど交換歴あり。次のタイミングベルトの事を考えて作業やっていれは次回タイベル交換も苦労はしないのですが。
古いクルマだとこういったイレギュラーな事が多々あります。無い知恵を絞ってなんとかやっております。
この後交換作業終わり元に戻して冷却水入れて終わりなんですがエンジンのエア抜き暖気していて通常ヒーターHOTにしてヒーター通路まで水を回すのですがずっと冷たい…
サーモスタットでもなさそう。
もしかしてヒーターコア詰まってる?と思い調べてましたら…ん?ヒーターコアに付いてる開閉バルブが動いていません。
バルブの開閉はロッドが接続されていてモーター駆動で部品名は「エアミックスドアアクチェーター」というモノ。ここだろなと思い調べたらこの部品も廃盤です…チーン
モーター部からロッド外して手動だと通路オープンになりヒーターコアに水が循環します。
何故冬場にクルマの室内が暖かくなるかは見えない部分なのでイラスト参考してください。この機能がないと寒くてたまりません。

で、この年代の日産車はエアコンの自己診断がエアコンパネルスイッチで出来るのでやってみましたがエラーもなく正常…
日産乗りや整備士の皆さん、普通エアミックスドアアクチェーターが壊れてると判断しますよね?

そう、ワタシも判断しました。中古の流通を調べてナイ事もない。最悪うちの部品取り車から外すかと思ってましてまず部品を外します。

アクチェーターはこのオーディオ奥のブロアユニット左側に取付てあります。

ちょっと外しにくいとこ。グローブBOXなどもはずさないとアクセスできません。
一応、電源の確認までやって外して単体で調べてみます。

ネットでもバラして修理してる情報あったのでテスターも使って点検してみましたが異常はなさそう…
念のためハンダ付け直しや接点の確認もし最後はモーターに直電入れて可動もチェックして組み直し。
部品取りからもアクチェーター外して2機体制でまたテスト。

車両コネクターに単体つないでチェック…
動かんやーん!どういうこと?
2機とも動かない。これはおかしい、アクチェーターではなく別の所ではないかともう1度電源や配線をチェック。動かん…2機とも壊れてる?まさか
う~んと悩みつつひじ掛けのコンソールに移設してあったエアコンパネルを持ち上げて裏の電源をみようとしたら…

モーターがコッコッコッて動き始めた。

もしかしてココ?まさかのエアコンパネルスイッチの裏ハーネスでした。
原因判明。
社外のエアコンパネルスイッチ延長ハーネスの接触不良。ひじ掛けコンソール狭いので押し込むとハーネスがくの字になってしまいます。
パネルに表示もしていてスイッチも問題なかったのですが規定電圧信号を送りきれなかったのでしょうね。
新しいハーネスへ交換予定でハーネス取り回しも考えて取付けます。
ちょっと時間がかかってしまいました。危うくうん万円の中古アクチェーターを購入するとこでした…
腕のいい整備士だったらもっと早く診断できたんでしょう…失敗談ではないですがこうやって単純な修理の割に原因が判明するまでに時間がかかる場合があります。時間がかかったからといってその分を請求しにくいところです。
この辺はメカのスキルの問題もあるし整備はなんといっても経験値。

今回も勉強になりました。こういう事もあるんだと。ワタシの経験値もまた上がりました。でもよその車屋さんやディーラーさんは古い車やこの手のクルマの修理を敬遠しがちです。原因追求に時間ばかりかかりますので割りに合わないのです。
簡単で作業効率がよい仕事をこなした方が売上げは良いです。効率の良い車検や定期点検なんてほぼやる作業が同じです。流れ作業に近いモノがあります。こんなんじゃメカニックのスキルは上がりません。
若者よ、難しい事にチャレンジしよう!やった事ないとこに挑むべきです。
話し逸れましたが…うちはこんな?少し面倒な仕事が多いです。でも修理終わるとちょっと嬉しくなります。
今回の「エアミックスドアアクチェーター」何回も分解したので単体の修理も?可能です。仕組みは単純なので高い中古品を買わなくてもよさそう。修理不可でも最悪アナログ方式にもできます。
日産部品高騰でこうやって部品オーバーホールも増えていくでしょうね。
ご依頼ありがとうございました。